北鉄浅野川線の新型車両がデビューします

こんにちは。笹雪です。
今回は、浅野川線に導入される新型車両について、デビューするのに合わせて行われたイベントを中心に紹介しようと思います。

浅野川線 新型車両「03系」

浅野川線に新たに導入されるのは、元々東京メトロ日比谷線を中心に活躍していた車両である03系です。浅野川線では新型と言っても、製造されたのは25年以上前の車両です。日比谷線の車両更新に伴って出る余剰な車両が東京メトロから北鉄に譲渡され、2019年7月に埼玉県の越谷から石川県の松任に輸送されました。

↑松任までの03系甲種輸送撮影についての記事

車両工場がある松任で改造工事を施された後、2020年1月に内灘駅に搬入され、1月下旬から3月にかけて夜間の試運転が行われました。

↑松任からの搬出から第1回目の試運転までについての記事

こちらの記事でも、03系のメトロ時代からの外見や車内の変化について触れてます。

その後しばらく動きがなかった03系ですが、11月になってから試運転が再開され、加えて営業運転の開始も正式に発表されました。

日中試運転の様子(部長氏提供)

1月の時点と比べて帯色が北鉄カラーに変わっています。この03系は12月21日から営業運転が始まり、通常の運用に組み込まれます。それを記念して19日に内灘駅で03系の一般公開イベントが行われました。

12月19日 03系一般公開イベント

この日のイベントでは、03系の一般公開と並行して、03系の運用開始によって引退する8000系1編成の展示も行われました。コロナ禍であることを考慮して事前応募制で30組×3セットでの開催でしたが、今回私は係員として参加させていただきました。
ということで、まずは03系から見ていきます。

車庫内で展示された03系

運行開始記念のヘッドマークが付いています。内灘方は内灘大橋を、後ほど載せる北鉄金沢方は鼓門をイメージしたデザインになっています。行先表示機はフルカラーLEDで、ワンマン普通・ワンマン表示無の普通のそれぞれ内灘/北鉄金沢と、臨時・回送・試運転の表示ができ、日本語表記と英語表記が交互に表示されます。

英語表記の表示機

「北鉄金沢」の英語表記はだいぶ窮屈そうです。種別を表示しているので急行表示があったりするのかなとも思いましたがそれは無いみたいです。

側面の、元々東京メトロ/営団のマークがあった場所は北鉄の社紋になりました。

側面に貼られた北鉄の社紋

浅野川線を走行する車両に社紋が付いたのは8000系のひと世代前の旧型車以来じゃないでしょうか。


続いて車内へ。

車内の様子
北鉄金沢方の先頭部分

整理券の発券機や運賃箱、運賃表示機やドア開閉のボタンなどが追加されています。

車内案内表示機

メトロ時代と比べると、ワンマン化対応に伴う変化がいくつかありますが座席など基本的な設備はそのままです。形式も変わらなかったので銘板もそのままに。

メトロ時代には左の空白に号車番号の銘板があった
製造元の銘板と追加されたメトロ車両2020の銘板

また、中吊り広告を掲示する場所に、デビューする03系と引退する8000系の編成の「あいさつ」がありました。

次は運転台。

北鉄金沢方の運転台

北鉄金沢方には速度計の右上にメトロ時代の8両の表記が残っていました。

内灘方の運転台

大きな変化として、メトロ時代はマスコンとブレーキのツーハンドルだったのがワンハンドルになりました。それ以外は運転士用の車内マイクやミラーの設置、整理券の発券を制御する設備などワンマン化対応の細々とした変化がありますがほとんど変わっていないそうです。

メトロ時代の編成が記された銘板

この銘板は、説明してくれた運転士の方曰くあえて残したそうです。

運転席に座れてご満悦の前会計氏

写真部の前会計、最近のブログ記事でレギュラー化してる気がします。

03系の車内の様子は以上です。次は庫外に出て、引退する8000系を見ます。

今回引退するのは、8000系8900番台の編成(8903+8913号車)です。元は京王電鉄井の頭線で3000系として活躍していた車両で、浅野川線には1998年にやってきました。1964年に製造された車両です。

ラストランの8903+8913号車

浅野川線8000系の中では最も遅く搬入された編成ですが、検査時期の関係で最初に引退することになりました。イベント前日の18日にヘッドマークを付けてラストランを行い、北鉄金沢駅14時発の列車を最後に引退しました。

イベントでは手描きで作られた「急行 粟崎海岸」を入れて展示されていました。

特製の幕

浅野川線の急行は2006年まで運転されていたもの、粟崎海岸駅はかつて内灘駅の先に存在した駅です。季節限定で営業する、駅舎のないホームのみの簡易的な駅だったようです。

午後の3セット目の時間が終わり、一般の方が退場されるとすぐに幕が抜かれました。

一般公開が終了した後、03系と8000系の位置を調節して関係者のみの撮影会(?)が行われました。

新旧車両の並び

03系には鼓門をイメージした運行開始記念のヘッドマーク、8913号には引退のヘッドマークが付いています。少しして8913号の急行灯(通過標識灯)が点けられ、さらに駅ホームに営業列車が入線し、3形式の車両が並びました。

8913号車体下部のライトが急行灯
浅野川線の3形式そろい踏み

右のホームに止まっている車両は、8000系の8800番台で、8900番台よりも少し古い車両です。

この後、イベントの後片付けをお手伝いして解散となりました。

浅野川線車両の今後

今回の新車投入は浅野川線にとっては約25年ぶりの車両更新です。今後、北鉄浅野川線では2023年までに03系を計5編成にまで増備され、8000系が全て置き換えられることになります。これから数を減らしていく8000系も、まだ松任に運ばれていない分の03系の甲種輸送などもしっかりと記録していきたいです。

2019年7月のブログ記事から始まった北鉄に譲渡された03系についてのシリーズも、これでようやく一区切りになります。最後まで長々とお読みいただきありがとうございました。

追記:これで一区切り、と書きましたがもう少しだけ続きました。下の記事では、引退した2両が解体のために富山県高岡市のリサイクル工場へと陸送されていく様子を書いています。03系シリーズの番外編として、ぜひ続けてご覧ください。

2 COMMENTS

向井聡美

詳しく、解説がありとてもよくわかりました。

浅電繋がりで、昨日1/31に引退した車両がトレーラーに積まれているのを見ました。この車両は今後、どこへ運ばれどうなるのでしょうか?

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笹雪

コメントありがとうございます。
トレーラーに積まれた引退車両は、1月31日の深夜に富山県高岡市にあるリサイクル工場に陸送されています。
その陸送の様子も撮影したので、近日中に記事を公開します。ぜひご覧になってください。

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