“廃”を求めて尾小屋へ

こんにちは。初めての投稿となる新入部員の笹雪です。NikonD3100を使用しています。

さて、6月某日に私は以前から行きたいと思っていた小松市の尾小屋へ行ってきました。尾小屋という場所はかつて大規模な鉱山がありとても栄えていた場所です。鉱山は1960年代に本山が閉山、小松市の中心から尾小屋まで通じていた鉄道も1977年に廃止となり、現在は尾小屋鉱山資料館と鉄道の僅かな痕跡が残るのみとなっています。今回は”廃”要素を求めてその資料館と鉄道跡を巡ってきました。

小松市の中心地から車で数十分、私は雨が上がったばかりの尾小屋鉱山資料館に到着しました。

この資料館は1980年代に開館したもので、建物内に尾小屋の街や鉱山の歴史の解説や採掘していた鉱石や採掘に使用されていた道具の展示などがされています。また建物から少し歩いた場所には「尾小屋マインロード」と名付けられた坑道跡を利用した600mほどの施設があります。


坑道の中はひんやりとしていて湿度が高く独特の匂いがあります。順路を歩いていくとマネキンを使用した掘削や採掘作業の解説があったり

かつて使用されていた運搬用のトロッコがあったりしました。順路の途中非常口から外の林道へ出ることができ、そこからは残しているのか放置しているのか当時からそのままの煙突を眺めることもできます。

資料館も坑道跡もかなり内容が濃く、また管理人の方もとても気さくで色々なお話を聞くことができ予想以上に満喫することができました。

続いて資料館を後にして向かったのは尾小屋鉄道で使用されていた車両が残る「ポッポ汽車展示館」。ここには軽便鉄道用の蒸気機関車と客車、気動車が保存・展示されています。

屋根付きで保存されていること、「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」というボランティア団体が整備していることもあり状態はとても良かったです。車両の中にも入ることができます。

次は尾小屋鉄道の終着駅だった尾小屋駅の跡を訪れました。

かつては写真左側に駅舎、右手前の辺りに貨物用ホームがあり三線の広々とした構内だったようです。
現在は一見すると何も残っていないただの広場ですが……

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レールが残っていました!
レールを発見したときは何とも言えない感情が湧いてきました。
その後は雨で濡れた草を掻き分けながらさらに奥へと進み、気動車が保存されている倉庫へ。下の隙間からカメラを入れてフラッシュを焚いて気動車を撮影。

この倉庫の裏手には小さいターンテーブルがありますが草が濃すぎたので断念。また旅客用のホームもあるはずでしたが草で隠れて発見できず。見るならGW前に来ないと駄目かぁと残念がりつつ写真を撮りつつ、背丈の高い草地を脱出して尾小屋駅跡からは撤収。

最後に訪れたのは尾小屋鉄道の現役時代から屈指の撮影ポイントだった梯川橋梁。廃止されてから放置され、尾小屋鉄道の貴重な遺構となっています。

長年放置されているのに橋自体はそのままで枕木も一部残っており、驚きました。この橋を先ほど見た保存されている車両が走っていたことを考えると何となく感慨深い気持ちになります。四十数年前まではこの場所で確かに列車が走っていたんだ、ヒトやモノの行き交いがあったんだ、と。周りの緑に侵食されゆくこの橋梁ですができるだけ長く残っていてほしいものです。

大方当初の目的が達成でき満足度の高い行程でしたが、尾小屋駅跡のターンテーブルや草の状況を見て断念した二つの廃隧道などもあり、また時期を改めて訪れたいと思った場所でした。石川県の加賀地方でここまで濃い”廃”はなかなかないので興味ある方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

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