写真講座1

今回の記事は写真部の新入部員に向けた初心者向けのものとなります。
今年は対面での写真講座が行えなかったため、このような記事を作成しました。
写真を始めるために必要な基礎知識をわかりやすく説明します。

撮影に使う道具・使い方などはまた別の記事で紹介します

金沢工大写真部では一眼レフやミラーレス一眼の購入を推奨しています。
部員は1人1台 カメラを所有しています。今の情勢では購入を強制するようなことはできませんが、入部された新入部員の皆さんはカメラの購入を検討してみてください。

写真講座は一眼レフ・ミラーレス一眼が手元にあることを前提に書いています。
講座1は初級編となります。

写真の基礎知識

カメラで写真を撮影するために必ず覚えなければいけないものが
ISO・SS(シャッタースピード)・f値 の3つです。
写真でこれらを避けることはできないので諦めて覚えましょう。

ISO(イソ)

ISOはカメラの内部にあるイメージセンサーの感度を表しています。
イメージセンサーも特徴や種類がありますが、最初は「光を電気信号に変える物」程度に覚えてもらえれば大丈夫です。
ISOは表示される数字が小さいほど「低感度」大きいほど「高感度」となります。撮影時にはなるべく低感度にすることを意識して撮影します。理由として、ISOを高感度に設定すればするほど「ノイズ」というものが発生します。

高感度時に発生するノイズは「高感度ノイズ」と呼ばれます。

全体
頭部分拡大

写真は説明用にISOを160000まで上げたものです。
全体では少しわかりづらいですが、頭部を拡大するとノイズの影響がわかります。写真がザラザラになり、被写体の質感が消えています。当然このようなノイズは無いほうがよく、ISO感度は必要以上に上がらないようにしましょう。ノイズは写真全体に出てしまうため、出来映えに直結します。

使用したカメラはα7ⅲですが、普段の撮影ではISO12800以上は使用しません。
高感度ノイズが多く発生し始めるISOの数値はカメラの性能に大きく左右されるため、自分のカメラで高感度ノイズを抑えて使用できるISOの範囲は把握しましょう。

[フィルム]
修学旅行で使用される「写ルンです」の中に入っている「フィルム」は感度が100や400で固定されるため、デジカメのように調整できません。フィルムカメラを使用される際には使用する日の撮影状況(夜・屋内等)を予想してフィルムを購入する必要があります。

SS(シャッタースピード)

シャッタースピード(以下SS)はセンサーに光を当てる時間の長さを表します。
1/250と表示されている場合は250分の1秒の光がセンサーに当たり、15と表示されている場合は15秒分の光がセンサーに当たります。SSは動くもの・明るい場所では短い秒数、暗い場所では長い秒数に設定します。
最初に覚える3つの中で一番重要な要素がSSです。
被写体・環境に応じて適したSSを選ぶことができるようになるというのが最初の課題になると思います。

SSを設定するときにはいくつか注意しなければいけないことがあります。
人間がカメラを手にもって撮影した場合に発生する「手ブレ」
SSで設定した秒数の中で被写体が動くことによって発生する「被写体ブレ」の2つです。

手ブレを抑える方法は2つあります。
1つ目はSSを短くする。2つ目は三脚を使用することです。
手ブレが写真に影響するSSは撮影者とカメラ・レンズによって差がありますが、1/80秒より長い秒数で手持ちでの撮影は避けた方がよいです。
ほとんどの撮影状況ではSSを短くすることで解決できますが、夜間はどうしてもSSが長くなってしまうため、三脚を使用して手ブレを抑えます。
三脚は撮影できる条件を増やしてくれるため、写真を撮るにあたって必須とも言える道具です。

1/250
25秒

上の2枚の写真は説明用にSSを操作して撮影した物です。
上は1/250秒、下は25秒です。25秒間シャッターを開くことでその間に通行した車のライトの軌跡を写すことができます。被写体が動く物であれば使える撮影方法なので、木々の葉の揺れや人の動きなど SSの操作は写真に時間の動きを与えることができます。

f値

f値はレンズの中にある「絞り」を通して、センサーに光を通す量を表します。f値はf+数値で絞り羽根がどれほど閉じているかを表します。レンズによって数値は異なりますが、入門用とされるレンズの多くはf3.5が最も絞りが開いている状態、最も閉じている状態はf36前後となります。

f1.4
f8

絞りの開閉によって写真上では「被写界深度」というものが変わります。
まず、写真上で最もハッキリと写っている部分を「ピントが合う・合焦」と呼び、写真上で何もハッキリ写っていないことを「ピンボケ」と呼びます。上の写真は犬の左目にピントが合っています。

「被写界深度」とはf値を操作することによって、ピントの合っている範囲から前後にハッキリと写っている範囲のことを指します。
上の2枚の写真はf値を操作した写真です。上の写真はf1.4、下はf8まで絞っています。上はf値が小さいため、目から狭い範囲しかハッキリと写っていません。このようにハッキリ写っている範囲が狭い写真を「被写界深度が浅い」と呼び、下の写真のようにハッキリ写っている範囲が広い写真を「被写界深度が深い」と呼びます。

絞りの注意として、f値は上げれば上げるほど解像度が上がるというものではありません。必要以上にf値を上げると逆に解像度を下げてしまいます。f11より上の数値は明確な理由がなければ使用しないことをおすすめします。

f値は撮影状況に応じて操作することより、撮影者がどのように写したいかによって操作されることが多い要素となります。

露出

露出はカメラのセンサーに光を当てることを表します。センサーに当てる光を調節することで写真全体の明るさを調節します。
露出を調整する中で注意することは「白飛び」「黒潰れ」です。この2つはセンサーが記録できる明るさの範囲を超えてしまったものです。カメラのセンサーは人間の目ほど優秀ではありません。照明を見ながら周りの壁や家具の形を把握することは人間の目には簡単ですが、カメラには難しいことです。

カメラが手元にある方は試していただきたいですが、カメラの設定をフルオート(カメラ上部のダイヤルで緑色のモード)にして、照明を近くまで寄って撮影すると周りの壁や天井は黒く写ると思います。これが「黒潰れ」です。今度は壁や天井にピントを合わせて照明を画面内に入れて撮影をすると照明の部分が真っ白になると思います。これが「白飛び」です。
SSの説明で使用した写真では信号の光源部分や街灯、看板が白飛びしています。

ほぼ白飛び
ほぼ黒潰れ

白飛び・黒潰れが多い写真は失敗だとわかりやすいので、できるだけ画面内に白飛び・黒潰れを作らないことが重要です。ほとんどの状況ではカメラの設定を正しく調整することで上のような失敗を回避できます。
最初は「ほぼ白飛び」になる場合が多いので、白飛びを優先して気をつけるようにしましょう。

ホワイトバランス

ホワイトバランスは日中の屋外や屋内の照明の下など変化する撮影環境の中で「白を白く写すための数値」を表します。これは光源の「色温度」によって変化しており、単位はK(ケルビン)です。
暖色系の光の場所では数値が小さく、寒色系の光の場所では数値が大きくなります。日中の屋外では5000K前後、雪の中では7000K前後、電球色の照明の下では3000K前後となります。

ホワイトバランスは撮影時に調整できますが、最初はカメラに調整を任せるオートホワイトバランスを使用することをオススメします。基本操作に慣れてから手動で調整しましょう。

6200K
4700K
7700K

細かく見るとピントが合っていませんが、説明にちょうど良かったのでこの写真使いました。
ホワイトバランスの設定をオートにして撮影したものが一番上の写真です。カメラが6200Kを最適だと判断した結果、白い軽バンがちゃんと白く写っています。
この写真を編集で1500Kずつ上下に調整してみます。
4700Kでは全体的に寒色系の色になりました。バンも青みがかっています。これは数値を低くしたことで、カメラが暖色を白く写すために全体を青っぽく調整しています。7700Kでは全体が暖色系の色になりました。カメラ内では寒色を白く写すために全体を赤っぽく写す処理を行っています。

ホワイトバランスを調整することで写真全体の色味・雰囲気を変えることができます。写真の印象を大きく変える要素です。

カメラの操作方法

写真撮影に使用される一眼レフ・ミラーレス一眼はスマートフォンのようにシャッターボタンを押せば色々な補正まで勝手にやってくれるという物ではありません。撮影者が状況に応じてカメラの設定を変更する必要があります。カメラにも自動で設定を行うAUTOモードはありますが、撮影技術の上達には繋がらないので使用しません。

カメラの撮影モード

カメラの撮影モードは「AUTO」「シーン」「P・S/Tv・A/Av・M」に分けられます。

まず、AUTOモードから説明します。AUTOモードはカメラ上部のダイヤルに「AもしくはAUTO」と緑で書かれているはずです。このモードで撮影者にはカメラのシャッターボタンを押す以外の仕事はありません。ISO・SS・f値の全てをカメラが自動で露出が適正になるように調整します。
このモードは撮影者が写真を撮影する中で光の加減などを工夫することができないため、使用することはおすすめしません。

シーンモード

カメラによって上部のダイヤルにシーンごとの絵が描かれていたり、SCNやSCENEと表記されているモードです。
このモードは撮影する被写体に合わせてモードを選択するとカメラが自動でその被写体に合った色や露出を調整してくれます。私はこのモードをほとんど使用したことが無く、必要と感じたこともありません。このモードの使い分けを覚えるより基本操作を覚えた方が手軽だと思います。

P(プログラムオート)

ここから紹介する撮影モードは撮影者が操作できる設定が増えます。
Pモードでは撮影者がISOを決めることができ、f値とSSはカメラが自動で設定します。この他にP*(プログラムシフトモード)として撮影者がf値とSSのどちらかを操作すると操作されなかった方が自動で適正値に調整される機能です。Pモードではカメラが判断した適正露出の明るさになるようにf値やSSが設定されるため、思ったように撮影できない場面が出てきます。

他に増える機能としては「露出補正」というものがあります。この機能は適正露出から明るさを調整できるというものです。モニターやカメラのファインダーの下にある「±0.0」という表示、-3から+3まである目盛が露出補正の数値です。-にいくほど暗く、+にいくほど明るく写真の明るさが補正されます。

S/Tv(シャッタースピード優先オート)

このモードではSSを撮影者が設定し、他はカメラが自動で設定します。ISOと露出補正も撮影者が調整可能です。
Pモードとの差は、設定したSSは絶対に変わらないということです。露出の調整はf値で行われます。SSが何よりも優先されるため、適正露出ではない場合でもシャッターが切られます。

A/Av(絞り優先オート)

上のモードとほとんどは同じですが、優先されるものがf値になったモードです。f値の調節は写真撮影の中で必ず身につけなければいけない技術です。このモードは絞りの調節のみに集中できるため、初心者におすすめできるモードです。

M(マニュアルモード)

全てが手動のモードです。ISOをAUTOにした場合のみ露出補正が使用可能です。写真撮影への理解度は必要ですが、理想とする写真を一番撮りやすいモードです。Mモードを使いこなすことができれば自分が撮りたい光の加減などを自由に撮影できるため、このモードを使いこなすことが最初の目標となります。


8月中旬には講座を出したかったですが、思ったより自分が忙しかったため遅れてしまいました。第2弾は9月2週目頃に更新を予定しています。
下のブログも役に立つと思いますので、是非ご覧ください。

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